第四章 古墓
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第四章 古墓
ハチの消息
無剣:古墓って?
金鈴:僕は…ここの門下だ。
緑:なるほど、金鈴っちはずっとここにいたんだな~
金鈴:何度も言ったけど金鈴っちと呼ぶな!
屠龍:でもここ、物寂しくねえか?
なんのためにこんなところにいるんだ。
倚天:心を落ち着かせるためだな。
屠龍:そうか?俺も長年氷火島に住んでいたが、全然落ち着けなかったぞ。
倚天:それはお前自身の問題だ。
突然、古墓から蜂の群れが出現して金鈴の周りを回り、ブンブンと音を立てる。
無剣:この蜂たちは……
金鈴:誰かが古墓に侵入した……!
緑:見ろ!
あれは──
ハチ:氷魄!拂塵師兄も!どうしてあなた達がここにいるんですか!?
氷魄:おとなしくやられちゃえよ。
余計なことなんて聞くな。
ハチ:うわ!
金鈴:やめろ!
金鈴:わが師門を裏切るのか?
氷魄:ふん!クズどもめ。
屠龍:黙れ!貴様のような横暴な野郎は我慢ならねえ!
倚天:話し合いは埒が明かん。やるぞ。
止まらぬ風波
このボクを捕らえただけで終わりと思うなよ!
ハチ:拂塵師兄はもうここを突破したよ……
金鈴:追う!
古墓の奥
金鈴:お前と拂塵師兄以外、誰か古墓に入ったのか?
氷魄:フン。
氷魄はそっぽを向き、黙秘し始めた。
倚天:邪悪な気を感じる。
緑:もしここが魍魎の巣だったら、また喧嘩できるじゃん?あっははは!」
緑の話が終わった途端、私たちは大量の魍魎に囲まれた。
金鈴:また余計なことを…
屠龍:結構な歓迎っぷりじゃねーか。
楽しませてもらうぞ!
一触即発
金糸:拂塵師兄!もうやめてください!
貴方たちは何の為にこの古墓に侵入したのですか?
拂塵:邪魔をするな!
拂塵:これ以上邪魔をするなら、
容赦はしない!
屠龍:望むところだ!手加減はしねえぞ!
身内闘争
貴方に私たちと戦う気はありませんでしょう?
金鈴:拂塵師兄!正気ですか?!同胞に手を出すなんて…!
拂塵の表情から、僅かながら葛藤と苦痛が垣間見えた。
拂塵:同胞か……
邪魔者を……殺……せ……すべて……ころ……
拂塵の表情が邪気に満ち、
ブツブツと何か呟いている。
屠龍:こいつ、なんか様子がおかしいぞ、
もしかして操られたか?
無剣:よく見ると……
あの魍魎たちに似てる……?
その時、冷たく輝く銀の光が、私たちに襲いかかった。
私たちが拘束していた氷魄が、いつの間に脱出していた。
氷魄:拂塵師兄!
どうしたの?
早く逃げて!
拂塵は隣りにある石壁を叩いた。すると彼と氷魄の足元に穴が開き、彼らはその穴から下へ落ちていった。
金糸:みなさん、気お付けてください。
これは墓室のからくりです!
金鈴:古墓の隠し通路だ…
屠龍:追うぞ!
隠し通路の罠
緑:壁に変な模様があるな。
なんなんだ?
金鈴:隠し通路には罠が張り巡らされている、
下手に触れると……
金鈴の言葉が終わる前に、通路に何かが崩れる音が響き渡る。
倚天:気をつけなさい!
上を見ると
巨大な岩が私と倚天に向かって落ちてきた……
????:はぁっ!
落ちてきた巨石は真っ二つに割れて、破片が当たりに降り注ぐ…
????:……あぶなっ!あっぶなっ!!
間に合ってよかったー
屠龍&倚天:……!!
何処からともなく沢山の魍魎が現れた!
敵か味方か
さっき突然現れた人は誰?
いつの間にかいなくなっちゃった……
倚天:…………
屠龍:あの人は倚天を助けた。敵ではなさそうだ。放っときゃいいだろう。
倚天:先を急ごう…
倚天と屠龍の様子に違和感を感じる 。
無剣:(なんか…隠し事があるみたい……)
古墓の妖鏡
倚天:引魂鏡……
やっぱりあいつら、魍魎の仲間だったか。
緑:ということは、ここにも魍魎が?
…言い終えると引魂鏡の周りに魍魎たちが出現する…
倚天:構えろ!
義に死す
きりがねえぞ。
無剣:任せろ!
引魂鏡に触れようとしたら、寒々と光るものが私に向かって伸びる…
緑:危ない!
緑が急いで駆けつけ、
私をかばう。
たくさんの銀に輝く針が彼の肩に突き刺さった。
拂塵:氷魄!
氷魄:拂塵師兄?!
拂塵の顔色は紙のように蒼白になっている。
さっきまでのあの邪悪な表情は既に消えていた。
拂塵:もういいだろう。
いくぞ。
氷魄:ふん!
氷魄が手を上げると、
巨大な魍魎を召還した。
氷魄:みなさーん、楽しんでくださいねー!
氷魄と拂塵は姿を消した。
残された巨大な魍魎は、私たちに飛び掛かってきた。
魍魎王:ゴゴゴゴゴゴオォォ!
狂乱に陥る
緑:うわ~あの魍魎まだ死んでないよ?
金鈴:今の力では、
まだあいつを完全に消すことができない。
魍魎王:痛い──
苦しい──
カラダが──いう事を──きかん──
巨大な魍魎が壁に体当たりし大きな穴をあけると、
魍魎はそこから逃げだした。
心神喪失
魍魎王:貴様ら… われを、殺すつもりか?
魍魎王:ワレも元は武術の達人の武器だったのだ…
いまはこのような、醜き姿になり果ててしまったが。
何とも、おぞましいことよ…
魍魎王:キサマら……
ワレを、殺せ!
倚天:貴様…元は魍魎ではないと?
魍魎王:われは、汗王の門下、哭喪棒だったものだ… いまとなっては、
いまとなっては、うぅ、いや、みなまで言うまい…
魍魎王:ゴゴゴゴゴゴオォォ!
巨大な魍魎は、再び凄まじい悲鳴を上げた。
魍魎王:殺せ──
早く殺せ──
早く──
氷魄の猛毒
金糸:古墓はもう元通りになりました。
手助けいただき、かたじけない……!
緑:…ぅあっ!
無剣:緑!
緑が急に苦しそうに俯いた。顔が真っ青だ。
金鈴:さっき古墓で氷魄の針に刺されたようだ…
これは氷魄本人しか解けない。
屠龍:ちっ!
あのインキなガキをはやくとっちめねえとな!
目覚める悪夢
必ず……
分かっている、
あの人もきっとここで、
私の帰りを待っている。
ここは……私たちがずっと……
一緒にいた……居場所だった……
でも、なぜ嘘をつく……なぜ裏切る……
個人の意志どおりにはできないというとこか?
いったい何故…… かつての仲間同士が争い合う……?
どんな苦しい心のうちがそこには……?
だったら……剣塚に行けば……
いったい何故…… かつての仲間同士が争い合う……?
どんな苦しい心のうちがそこには……?
だったら……剣塚に行けば……
本性がもたらした結果なのか?
いや、ありえない……
私達は、どんな人であるか知っている…………
きっと何かが起こったのに違いない……
もしかして……剣塚に行けば……
でも、その前に……私は……何を?!いや、ありえない……
私達は、どんな人であるか知っている…………
きっと何かが起こったのに違いない……
もしかして……剣塚に行けば……
やめてーー
もうやめてーー
私は夢から覚めた。夜はもう深くなっていた。篝火の隣には、緑だけが座っていた。
緑:また夢か?
無剣:そう……良くない夢……だった……
無剣:なぜか……
すごく……悲しいことを……思い出して……
緑:悲しい事は忘れたほうがいいよ。
無剣:悪い夢なんだけど、
夢に出てくることがすごく重要なんだって感じるの……
緑:もし本当に重要なことなら、
いつかきっと思い出すよ!
彼は微笑みみ、私を慰めてくれようとしたが、急に体を震わせ、痛そうに俯いた。
私は不安げに銀針に刺された背中を覗いて見る。
無剣:緑……傷、もう平気?
緑:心配しないで、
ほんとなんともないから。
その時、金鈴がひとりでこちらへ向かって来るのが見えた。
緑:金鈴っちじゃねぇーの…
古墓に戻ってもう出て来ないと思ったよ~
金鈴:そんなこと一言も…
ただちょっとね。
金鈴:あと、
その呼び方、やめて。
緑:別にいいじゃん。
ずっとそう呼んでるじゃん~
緑:でもずっと古墓に戻りたかったんじゃなかったの?
なぜまた古墓を離れて俺達と?
金鈴:……他の連中は?
緑:倚天さんは修練に、
屠龍さんは聞き込みに行ってるけど、
もうすぐ戻るだろう。
しばらくすると、なんと屠龍と倚天がともに戻って来た。
緑:なんで一緒なの?
倚天さん修練しに行ったんじゃ…
倚天:たまたまそこで会ったのだ。
屠龍:じゃ、そろそろ行くか。
緑:どこに?
倚天:この先に谷があってな、
入口の石壁に「絶情谷」と書いてあった。
金鈴:絶情谷……
谷の底にある寒潭の玉鱗氷魚は、毒を抑えると聞いたことがある。
倚天:氷魄の毒もか?
金鈴:やってみる価値はあるね。
屠龍:なら、急いで行こう。オレが先導してやる!
謎の助け人
かつて深夜に2回‥‥
今度も助けてもらったし、もう見知らぬ人とはいえないかもしれない。
今だけでなく、最初、夜に出会った時から、彼の姿に何か感じるものがあった。
この姿、どこかで見たことが……
か……彼は……
頭がまた痛くなってきた。
悔しい、すぐ目の前にあるのに、後一歩なのに!
無剣:あっ……!
屠龍:ほう?
緑:大丈夫?
無剣:だ、大丈夫……行こう。
私は、頭を振って苛立たしさを振り払おうとした。
あと一歩‥‥
すぐ思い出せるかもしれない、自分を取り戻せるかもしれない……
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